…といっても唐突ですが。いやそもそも何ヶ月も書き込みしてませんでしたが。
え、もう20年以上も前ですが、『魔法のスターマジカルエミ』というTVアニメがありまして、その番外編OVAのタイトルが『蝉時雨』なんです。マジカルエミがどんなお話しだったかはまあ、ウィキペディアででも調べてみてください。
ごく簡単に結論だけ言うと、主人公の香月舞という女の子が魔法の力を手に入れて、夢だったスターマジシャン「マジカルエミ」になるが、いろいろと紆余曲折あって最終的に「他人から貰った魔法でなく、自分の力でマジシャンになる夢を叶えよう」と決心して魔法を自主的に返却するというお話しです。
実を言うと私、もともとこの前のシリーズの『魔法の妖精ペルシャ』のファンでして(ちなみにこういうサイトも作っています)、あまり『マジカルエミ』については語りたくなかったんですよ。世間的にはこの作品が高く評価されていて、嫉妬していたという所為もありますが、また魔法を否定的に描くストーリーが「教育的」過ぎて気に入らないという思いもあったんですね。でもだからといって、ジュブナイルストーリーとしての完成度の高さは否定もできず、私にとって『マジカルエミ』は愛憎相半ばする作品です。
今回見直してみて気付いたのは、この作品、決して魔法設定や、マジカルエミというキャラクターを否定しているわけではなかったんですね。確かにストーリー上ではマジカルエミは「乗り越えるべき存在」として否定的に描かれているんですが、まあ、この辺はバランス感覚といいますか、同時にその儚さが故に「惜しまれるもの」としても描かれていたんです…。それは特に小金井さんという中年男性の、コミカルな中にふと見せる、いつかこの輝く日々が儚く消えていくであろうという確信的な不安さという形で現れています。
それに今回気付いた私は…まあ、それだけ年をとったという事でしょうね…。
このOVAの時代設定は1985年8月下旬、テレビシリーズの最終回でエミが姿を消すのが1986年早春ですから、時系列を溯っての番外編になります。登場人物の去りゆく夏の日々を惜しむ心と、視聴者の(まもなく消えて行くことがわかっている)エミへの追想が相似形をなすという、実にOVAらしい趣味的な内容です。まあ、この当時のOVAっていうのは、こういう制作者の趣味丸出しの実験作的な物がほとんどだったんですが…。
私は、一時期まで毎年8月の終り頃にはこのビデオを見るのが年中行事だったんですが(先にも申しましたとおり、このお話しはその季節のお話し)、いつのまにかそんな事も忘れていました。で、一度パソコンに取り込んでDVD化しようと思い立ちまして、その作業をかねて見たんですが、いやぁ、なかなか良いですねぇ。なんというか、儚く消えて行く青春期の一瞬のきらめきとでも言いましょうか、懐かしく切ない思いに浸ってしまいましたよ。
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